2014年3月24日月曜日

CTOってこれといった定義があるわけじゃないけど、私なりのCTOの定義をメモ

CTOってこれといった定義があるわけじゃないけど、私なりのCTOの定義をメモした


●CIOとCTOの違い
情報システムの責任者ってことで、CIOって職種もある。そして今どきのTの殆どは情報システムなわけで、CIOとCTOの違いってわかりにくい。しかしながらCIOが指す情報システムってのは、主に社内のシステム。例えば内線電話や会計システムを社内で管理していたように、CIOが管理する情報システムも一義的なお客様は社内。社内業務をどう円滑に進めるかがメインミッション。それに対してCTOが担うのは、プロダクトしてのテクノロジー。だからダイレクトに収益に対しても責任を負う。

●プロダクトとしてのテクノロジーって何よ?
別にソフトウェアサービスを事業としていなくても、ユーザ接点がインターネットになれば、Webサイトそのものがプロダクトなのだ。通販一つとってもユーザはウェブサイトの訪問から商品到着までを一つの体験として、企業に対して「期待」「失望」を体験している。リアル店舗が接客含めてプロダクトであるのと同様に、Webサイト・メール対応の体験を含めてのプロダクト。例えば、メルマガってテキストメールがいいんだっけ?HTMLメールは本当に嫌われているんだっけ?って質問にもさくっと答えれるのがCTO。

●マーケターとしてのCTO
テクノロジーが顧客接点である以上は、ユーザが接するテクノロジーそのものがマーケットである。最先端のテクノロジーを追いかければいいというものではなく、ターゲットユーザに応じて利用する技術を柔軟に変えていく。

●技術に対する責任って何?
CTOってのは、単なる研究者ではなく、責任者。技術に対する責任ってのは技術者に対する責任でもある。優れた技術を持ってくるってのも大事なのだが、技術は必ず人とセット。社内メンバーが使いこなせる技術でないとダメ。さらに言えば社外から連れてこれるメンバーが扱える技術でないとダメ。「慣れれば大丈夫」なら慣れるまでの時間と教育方針に対して責任を持つのがCTOの役割。

●生産ラインのセンター長としてのCTO
プロダクトとしてのテクノロジーって言うけど、具体的にはメンバーが頑張ってHTML書いているだけかもしんない。その場合にはどうやってHTML書くの?パソコンは何?エディタは何がいいの?早く・ミスを減らすにはどうしたらいいの?ってことを全部考えるのがCTOの役割。「慣れればOK」「スキルのある人を連れてくればOK」じゃなくて、自社メンバーが成長するプロセス含めて責任を負う。

●退き時を探るのもCTOの役割
責任って何よって話だが、失敗を失敗と認めるってこと。誰かにタオル投げてもらうんじゃなくて、自分自身でハードルを設定してそれを超えれないと判断した時に撤退をする。責任を取るって言っても死をもって償うことのことってあまりないけど、ポジションがなくなるとか辞めるとかそういう責任のとりかたはある。

●おまけ:4つのリスク
プロジェクトマネジメントの教書にも出てくるんだけど、ここでもおさらい。これは私の発明じゃないので、字面通りに紹介。

  • 技術リスク
    • 「社内でやったことがない」レベルじゃなくて「この世でやった人がいない」レベルのことにチャレンジしようとしてないってこと。時間がかかるけどやるべきならやったほうがいいけど、そこ無頓着だとスケジュール切れないよね
  • 要員リスク
    • 人が足りないってリスク。ただし人は足りるってことはない。どういう役割が足りないのかってことまで分解しよう。少なくともCTOレベルの人は「人が足りない」なんてアホな言葉は言わない
  • スキルリスク
    • 以外にでかい。エキスパート>経験者>>>未経験者とスキルによる生産効率の差は圧倒的なのに、一山いくらで要員を計算するから大混乱が起きる。技術的難易度と同じくらい、スキルにも目を向けるべき
  • 政治リスク
    • プロジェクトマネジメントの世界では「政治」とまるでスコープ外の判断が起きている扱いで字面はよろしくないのだが、要は「経営判断」ということ。競合が良いもの出してきたらそれ以上のことしなくちゃいけなくなるとかそういうこと。リリースの日程とかもIRと密結合。ユーザがいきなりスマホにシフトしたとかってことも、外部要因としてはでかいけど、外部だからスコープ外ってことではなく、より未来を見立てるというのもミッションの一つとして進めていく。
そんな感じです。

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